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電通CMクリエイター・見市沖のこれからのCMの話をしよう 前編(第2回/全3回)


時代の空気を捉えたCMが共感を呼ぶ

電通のCMクリエイター・見市沖氏がCM制作の最前線で活躍するクリエイターと、これからのCMのあり方を探る連載企画がスタート。第1回の対談相手は、「あらゆる社会の変化と挑戦にコミットすること」をミッションに掲げ、クリエイティビティを軸に企業をサポートするThe Breakthrough Company GOの三浦崇宏氏。前編ではCMの役割や、コロナ禍において効果を発揮するCMについて語っていただいた。
(収録:7月16日)
【 CM INDEX 2020年9月号に掲載された記事を3回に分けてご紹介します。(第2回/全3回)】
—CMにとって大切なことは生活者の目を奪う価値があるか
見市:CMを作る上で、面白さのほかに大切にされていることはありますか。
三浦:「生活者の目を奪えるだけの価値があるのか」ということをいつも考えています。
 やっぱりテレビ番組って面白いじゃないですか。CMはあくまでも番組の間に流れるものですから、多くの人に見ていただくだけの理由が必要です。コピーが面白いのか、タレントの普段と違う表情が見られるのか、商品そのものが強いのか。CMを作る以上は、15秒間もお客さまの目と心をいただくことに対して責任を果たさなければいけないので、そこは常に意識しています。
見市:忙しい生活者が貴重な時間を費やす価値のある15秒を設計できるのか、ということですね。それは僕もよく考えます。
 そして三浦さんのおっしゃる“面白い”は単に笑えるという意味ではないですよね。
三浦:CMを見た人に何か新しい価値を提供できているか。それは自分だけでなく、GOが手掛けるすべての仕事において不可欠な要素だと思っています。
見市:コロナ禍になって視聴者に響くものが少し変わっていると思います。コロナ前に作られたCMをそのまま流しても、「今」感がなくて響かないということが起きている。
三浦:CMは自然と目に入ってくるものなので、その時代の空気感を捉えていないと、なかなか受け入れてもらえないんじゃないかな。逆に今っぽい広告って何かありましたか。
見市:西武ライオンズがプロ野球の開幕に合わせて展開した「プロ野球をやらせていただきます。」といったキャッチコピーの広告※2が好きでした。西武鉄道の駅貼りポスターなどで掲出されていたみたいなんですけど、温度感が今の空気にぴったりだと思いました。「不安な状況を吹っ飛ばして楽しく野球をするぞ」とか「リモートでも俺らはつながってるぜ」みたいな熱いメッセージじゃなくて、「危険は承知しているけれど、自分たちのできる範囲で野球をやらせていただきます」という地に足の着いたスタンスで。そこが今の自分にとって共感できるポイントだった気がします。
三浦:CDとコピーは電通の大貫冬樹さんなんですね。今は誰もが、前に進むことが正解なのかどうか悩んでいるタイミングなので「私たちは恐る恐るながらも一歩踏み出してみました」と呼びかけるような、謙虚でありつつも前向きな姿勢が良かったんでしょうね。
見市:社会情勢も人の気持ちも刻々と変化するので、時代の温度感のつかみ方はますます重要なのかなと思っています。
※2. 埼玉西武ライオンズが、新型コロナの影響で延期されていたプロ野球の開幕日である6月19日から展開した広告キャンペーン。西武鉄道の中吊りや駅貼りポスターなどを掲出した。
三浦崇宏氏 The Breakthrough Company GO 代表取締役 PR/CreativeDirector
2007年株式会社博報堂入社、マーケティング・PR・クリエイティブの3領域を経験、TBWA\HAKUHODOを経て2017年独立。Cannes Lions、PRアワードグランプリ、ACC賞など受賞多数。近著に『言語化力』(SBクリエイティブ)、『人脈なんてクソだ。』(ダイヤモンド社)。「表現をつくるのではなく、現象を起こすのが仕事」が信条。

見市沖氏 株式会社 電通 クリエーティブディレクター/コピーライター/CMプランナー
2006年電通入社。近作はタイムツリーはじめました、ポッキー、パズドラなど。TCC新人賞、ACC賞、国際PRゴールデンアワードなど受賞多数。「世界に愛されるブランドをひとつでも多く増やす」がモットー。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。