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広告の今を語る 人間と広告の未来に向き合う【虎ノ門広告祭】


虎ノ門広告祭実行委員会は2025年10月17日~24日の8日間、虎ノ門ヒルズの情報発信拠点・TOKYO NODEにて「ビジネス、アート、テクノロジー、エンターテインメントを繋ぐクリエイティビティ」をテーマに国内最大規模の広告クリエイティブフェスティバル『虎ノ門広告祭』を開催する。本広告祭の発案者でクリエイティブ・ディレクターを務める菅野薫氏に開催の狙いや見どころなどをお聞きした。(取材:2025年9月16日)
【 CM INDEX 2025年10月号に掲載された記事をご紹介します。】

20代から80代まで総勢200名を超えるクリエイターが参加し、カンファレンスやトークセッション、作品上映会、展示、ワークショップ、交流会イベントなど「広告クリエイティブ」の未来をテーマにした80を超えるイベントを実施予定。


インタビュイー
菅野 薫氏
クリエイティブ・ディレクター クリエイティブ・テクノロジスト

転換期にある広告クリエイティブの可能性を統合的に語る場が必要

— 『虎ノ門広告祭』開催の狙いをお教え願います
 現在の広告業界は大きな転換期にあります。かつてテレビCMは時代の文化の一翼を担うほどでしたが、昨今は即時的な反応を求めるデジタル広告が存在感を増し、広告表現もビジネス構造も急速に変化しています。一方で、こうした状況をクリエイティブの視点で統合的に議論できる場が日本にはほぼ存在しません。だからこそ広告の現状や未来について、世代や領域を超えて思いを共有する場が必要だと考えました。またこうした対話を内輪だけで行うのではなく、広告に興味を抱く学生や若手のクリエイターにも広告の仕事の面白さや可能性を体感してほしい。この2点が開催の大きな目的です。
 近年は広告のことをいわゆる広告制作の領域にとどめず、広い意味でのクリエイティビティという視点で語る流れが国内外で見受けられます。ですが、今回はあえて「広告」という言葉にこだわりました。人に届く言葉や表現を考える仕事としての広告が出発点にあるからこそ、ほかの領域に拡張していける。 “人間と真摯に向き合う”という広告の仕事が持つ普遍性や面白さを改めて強調したかったのです。こうした思いを太田恵美さんにお伝えして生まれたのが「あえて、広告のこと。あえて、今やる。」というコピーでした。キービジュアルにも「あえて」と手書きの文字が入っており「今だからこそ、広告の話をしたい」という思いを表現しています。
 TOKYO NODEはデザインやテクノロジー、ビジネスなどを横断したクリエイティビティを扱う情報発信拠点で、私自身がコンセプト設計やネーミングを含め長く携わってきた場所です。広告はアート的な表現の技術やデザイン的な発想を基盤にしながら、同時に社会やビジネスの課題解決にも寄与するものです。そうした越境的な特性を持つ広告を語るにはTOKYO NODEが最適だと考えました。また虎ノ門ヒルズ駅の開業以降アクセスが大きく改善し、多くの人が集まりやすい環境であることも会場選定の後押しとなりました。

未来の才能に触れるプログラムや異業種の視点で広告を見直す対談も

— 登壇者や見どころについてお聞かせください
 登壇者の多くは、私が直接お会いして依頼しました。ただ私が恣意的に選んだのではなく、尾上永晃さんや市川晴華さんといった最前線で活躍するクリエイターとチームを組んで議論したほか、登壇者のご紹介でお声掛けした方も多いですね。またセッションの順序や組み合わせを巨匠も若手も織り交ぜた構成にするなど、普段交わる機会が少ない方々の化学反応を狙っています。

 特に力を入れているのは『ヤング・クリエイター・ショーケース』です。まだ大きな実績はなくても周囲から注目されている若手を紹介する企画で、未来の才能の種に触れる機会になればと考えました。また広告業界以外のゲストもお招きしています。例えば音楽プロデューサーのSKYーHIさんは音楽業界の閉塞感に危機感を覚え、自ら起業して新しい才能の育成や発信に取り組んでいる。業界は違えど、構造変化に対する挑戦という意味で広告の未来を立体的に捉えられると思いました。杉山恒太郎さんと著作家の山口周さんの対談なども面白くなりそうですし、異業種の方の視点も交えながら広告を相対的に見つめ直す場にしたいと考えています。

世代や領域を超えたつながりや新たな仕事が生まれることに期待

— 広告祭に対して期待することとは
 広告業界が活性化するための火種を提供したいです。業界の雰囲気が楽しげであれば、自然と人が集まってくるはずですし、広告の可能性を知った若い世代に挑戦しがいのある場だと信じて飛び込んできてほしい。この広告祭が一度きりのイベントで終わらず、ここでの出会いを機に世代や領域を超えた出会いやつながり、そして新たな仕事が生まれることを期待しています。

【虎ノ門広告祭 開催概要】
開催期間:2025年10月17日(金)~10月24日(金)
会場:TOKYO NODE (東京都港区虎ノ門2-6-2
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 8F、45~49F)
主催:虎ノ門広告祭実行委員会
会場協力:TOKYO NODE(森ビル株式会社)
https://toradfes.com

その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。