広告主インタビュー 日本マクドナルド株式会社【2024年度 CM好感度 ベスト・アドバタイザー】
ブランド価値をワクワク感とともに表現
日本マクドナルドが3年連続で企業別CM好感度総合1位である「ベスト・アドバタイザー」に輝き、新設のWebCM好感度でも首位となった。2024年度のコミュニケーション活動について同社のズナイデン房子氏にお聞きした。
(取材:2025年5月15日)
(取材:2025年5月15日)
【 CM INDEX 2025年6月号に掲載された記事をご紹介します。】
日本マクドナルド株式会社
取締役 上席執行役員 CMO
ズナイデン 房子 氏
長崎県出身。筑波大学卒業後、資生堂に入社。ユニリーバ、日本ロレアル、日清食品ホールディングスなどを経て、2018年10月に日本マクドナルド入社、2023年3月より現職。2021年12月よりオリオンビール 非常勤取締役を兼任。
取締役 上席執行役員 CMO
ズナイデン 房子 氏
長崎県出身。筑波大学卒業後、資生堂に入社。ユニリーバ、日本ロレアル、日清食品ホールディングスなどを経て、2018年10月に日本マクドナルド入社、2023年3月より現職。2021年12月よりオリオンビール 非常勤取締役を兼任。
圧倒的な支持を集め企業別CM好感度で3連覇
店頭でお客さまと接するクルーの皆さんの力が基盤
—年間を通して多彩なCM展開が好評で、3年連続のベスト・アドバタイザーに輝きました
栄えある賞を3年連続でいただき、大変うれしく思っております。2024年度は140作品のCMを通してマクドナルドのブランド価値をお伝えしてまいりましたが、日頃からお客さまに素晴らしい店舗体験を直接提供しているのは日本全国にいる21万人のクルーの皆さんです。クルーの方々がいるからこそ、視聴者の皆さまがマクドナルドのCMに共感を抱き、好きになってくださったのだと感じています。これからもより魅力的なコミュニケーションをお届けできるよう全力で取り組んでまいります。
—この1年間の広告活動で特に注力したポイントとは
お客さまの心情として、コロナ禍では身近な家族や友人とのつながりを大切にする傾向を肌で感じたのですが、最近はもう少し物事を楽しみたい、ワクワクしたいといった気持ちが高まっているように思います。そこで2024年度の広告コミュニケーションでは、これまでよりもさらに楽しくワクワクする表現を心掛けました。
— 代表的なテレビCMの狙いをお聞かせください
『三角チョコパイ』は秋の風物詩として親しんでいただきたいという思いのもと、紅葉をバックに伊藤沙莉さんたちが踊るCMを2021年より展開しています。昨年はENHYPENのNI-KIさんを起用し、伊藤さんとともにキレ味のあるダンスを披露していただきました。おふたりの醸し出す楽しさやシナジーが素晴らしく、商品もCMもご好評をいただいています。
『月見ファミリー』のCMは前年までの情緒的なシリーズと同様に父娘の思いを軸にしたストーリーですが、宮﨑あおいさんが現代風の明るいキャラクターとして“かぐや姫”を演じてくださったことで、これまで以上に多くの方に親しみを感じていただけたのではないでしょうか。
『ビッグマック®』と『コカ・コーラ』のコラボCMにも大きな反響をいただきました。両者が相性抜群で“最強のパートナー”であることを『I feel Coke』の楽曲に乗せて表現したもので、「明日も、笑おう。」をコピーとした明るく爽やかな世界観が大人世代だけでなく若者を含めた幅広い層の視聴者から注目を集めました。
またこの1年はモバイルアプリやクーポンといったサービスの訴求にも注力しました。既に多くの方に利用いただいている一方で、まだご存じない方や利用する機会の少ない方々へのラブコールのような気持ちで、お得感や利便性といった情報だけでなく、サービスを通して体験できる楽しさもお伝えできるよう努めました。
『月見ファミリー』のCMは前年までの情緒的なシリーズと同様に父娘の思いを軸にしたストーリーですが、宮﨑あおいさんが現代風の明るいキャラクターとして“かぐや姫”を演じてくださったことで、これまで以上に多くの方に親しみを感じていただけたのではないでしょうか。
『ビッグマック®』と『コカ・コーラ』のコラボCMにも大きな反響をいただきました。両者が相性抜群で“最強のパートナー”であることを『I feel Coke』の楽曲に乗せて表現したもので、「明日も、笑おう。」をコピーとした明るく爽やかな世界観が大人世代だけでなく若者を含めた幅広い層の視聴者から注目を集めました。
またこの1年はモバイルアプリやクーポンといったサービスの訴求にも注力しました。既に多くの方に利用いただいている一方で、まだご存じない方や利用する機会の少ない方々へのラブコールのような気持ちで、お得感や利便性といった情報だけでなく、サービスを通して体験できる楽しさもお伝えできるよう努めました。
人との関係性や時間を豊かにする“媒介”として
ブランド価値をお客さまの心情に寄り添う形で表現
— 2024年度はWebCM好感度でも首位となりました
デジタルコミュニケーションにおいてもインパクトや話題性だけでなく、お客さまの気持ちに寄り添うことを重視しています。若者たちへエールを送る『ティロリミックス』プロジェクトは今年で展開3年目を迎えました。更なる進化を遂げて、Adoさん、YOASOBIさん、星街すいせいさんの楽曲をマッシュアップした楽曲『ティロリミックス2025』を制作し、「どっからでも、あがっていけ!」をコピーに“ポテト3兄弟”がガールズバンドとして活動する3人の女の子を応援するMVとして公開しました。庵原涼香さんと櫻坂46の谷口愛季さんを起用して、友人同士のさりげない優しさを描いたWeb動画「夜の坂道」篇では『マックフライポテト®』『チキンマックナゲット®』がコミュニケーションのきっかけとなる様子を表現しています。
— 広告作りで大切にしている考え方や、貴社の事業におけるCMの役割をお教え願います
私が入社した際に実感したことでもありますが、マクドナルドの商品はおいしさや食事といった価値にとどまらず、大切な方々との関係性や一緒に過ごす時間をより豊かにする“媒介”として存在しています。広告作りでは商品のアピールだけでなく、こうしたマクドナルドならではのブランド価値を伝えることを大切にしています。
また多くのお客さまに来店していただくという当社のミッションを実現する上で、テレビCMは重要な役割を果たしています。冒頭にも申し上げましたが、CMをきっかけに来店したお客さまがクルーによる素晴らしいホスピタリティを体験することで、「マクドナルドで食事をしてよかった」と感じるサイクルを生み出していく。こうした循環を支える強力なコミュニケーションツールとして引き続きテレビCMを活用していきたいと考えています。ただテレビとデジタルでは視聴する世代が異なりますので、年齢層やタッチポイントの特性を考慮しながら、最適な形でメッセージをお届けできるよう心掛けています。
また多くのお客さまに来店していただくという当社のミッションを実現する上で、テレビCMは重要な役割を果たしています。冒頭にも申し上げましたが、CMをきっかけに来店したお客さまがクルーによる素晴らしいホスピタリティを体験することで、「マクドナルドで食事をしてよかった」と感じるサイクルを生み出していく。こうした循環を支える強力なコミュニケーションツールとして引き続きテレビCMを活用していきたいと考えています。ただテレビとデジタルでは視聴する世代が異なりますので、年齢層やタッチポイントの特性を考慮しながら、最適な形でメッセージをお届けできるよう心掛けています。
どんなお客さまも受け入れる懐の深いブランド
普遍性と変化を軸にクリエイティブを進化させる
— 今後のコミュニケーション活動について
マクドナルドはどんなお客さまであっても、そのときの気持ちや状況に合わせて最高のホスピタリティで受け入れる懐の深いブランドです。こうしたお客さまとブランドの普遍的な関係を保つと同時に、時代ごとに変化するお客さまの気持ちを深く理解することも欠かせません。今後の広告作りでは、この普遍性と変化という両輪を踏まえながらクリエイティブを進化させていくことがますます重要になると感じています。
時代のムードやお客さまの心情を捉えることは簡単ではありませんが、私個人というよりもチームとして試行錯誤を重ねる中で、感覚値として少しずつ身に付いてきたように思っています。当社のスタッフに加えパートナーエージェンシーやクリエイティブチームの皆さんが1作品ごとに情熱を持って取り組んでくださっていることが本当に心強く、ありがたい限りです。これからも唯一無二のブランドとして多くのお客さまに愛していただけるよう、チームー丸となってマクドナルドの魅力をワクワク感とともに発信していきたいですね。
時代のムードやお客さまの心情を捉えることは簡単ではありませんが、私個人というよりもチームとして試行錯誤を重ねる中で、感覚値として少しずつ身に付いてきたように思っています。当社のスタッフに加えパートナーエージェンシーやクリエイティブチームの皆さんが1作品ごとに情熱を持って取り組んでくださっていることが本当に心強く、ありがたい限りです。これからも唯一無二のブランドとして多くのお客さまに愛していただけるよう、チームー丸となってマクドナルドの魅力をワクワク感とともに発信していきたいですね。
代表的なCM
三角チョコパイ「キレキレ収穫祭」篇(2024年10月8日オンエア開始)
伊藤沙莉とENHYPENのNIーKIが「♪三角チョコパイの季節」といった歌に合わせて踊る様子を映した。同社は宮﨑あおいら出演の『月見ファミリー』といったCMも好評で、豪華なキャスティングや季節感のある描写、耳に残る楽曲などをフックとした多彩なCMが支持された。
伊藤沙莉とENHYPENのNIーKIが「♪三角チョコパイの季節」といった歌に合わせて踊る様子を映した。同社は宮﨑あおいら出演の『月見ファミリー』といったCMも好評で、豪華なキャスティングや季節感のある描写、耳に残る楽曲などをフックとした多彩なCMが支持された。
ポテナゲ「夜の坂道」篇(2024年11月1日X、TikTokで公開)
『ハロ/ハワユ』のアレンジ曲が流れる中、夜の坂道で庵原涼香と櫻坂46の谷口愛季演じる女子高校生が『マックフライポテトR』と『チキンマックナゲットR』を食べながら語らう内容。「一日がずーっと明るかったら、生きてるの、もっとタイヘンだったかもね。」をコピーに展開した。
『ハロ/ハワユ』のアレンジ曲が流れる中、夜の坂道で庵原涼香と櫻坂46の谷口愛季演じる女子高校生が『マックフライポテトR』と『チキンマックナゲットR』を食べながら語らう内容。「一日がずーっと明るかったら、生きてるの、もっとタイヘンだったかもね。」をコピーに展開した。
写真:長谷川大
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。