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広告主インタビュー  株式会社フジタ


戦後80年、8月6日に託した“平和を建設したい”というフジタの願い  

戦後80年の節目となった2025年、広島に原爆が投下された8月6日限定でCMをオンエアした総合建設業のフジタ。広島を創業の地とするフジタが「平和を建設したい」というメッセージで展開した本CMに込めた思いについて、同社の石塚浩一氏にお聞きした。
(取材:2025年11月21日)
【 CM INDEX 2026年1月号に掲載された記事をご紹介します。】

インタビュイー
石塚浩一氏
株式会社フジタ
執行役員 管理本部副本部長 総務部長 兼 広報室長

1993年4月小田急建設株式会社入社。作業所支援、人事、関連会社ビル管理、秘書、総務などの管理業務に従事し、2015年に株式会社フジタと経営統合。2017年横浜支店総務部長、2019年管理本部総務部長兼広報室長。2025年から執行役員管理本部副本部長兼総務部長として、全社の総務、広報業務を統括する。
「平和を建設したい フジタの願い」篇
「1945 HIROSHIMA」というテロップとともに、原爆が投下された広島で傷ついた人を懸命に看護する人々を映す。「混乱の中、その建物の復旧に従事した先人たちの魂を、私たちは忘れない」というナレーションが重なる。続いて現代で笑い合う家族に「街に土地に、そこに息づく人々の営みを守りたい」の語りがかかる。無数の緑の折り鶴が飛び立つ中、現在の広島赤十字病院を映し「平和を建設したい。フジタの願いです」と締めくくった。

制作スタッフ
広告会社:東映エージエンシー 制作会社:東映シーエム
CD:酒井伸介 企画:横尾佳紀 
プロデューサー:島田賢一郎 PM:豊田航平 
演出:ナガヤマシゲキ 撮影:宮川幸大 照明:井上真宏 美術:大野博史 
美術協力:東京美工 ヘアメイク:Aya スタイリスト:前田美香 
キャスティング:八木香子 音楽制作会社:Keynote Sharp 音楽:阿部亮介
ポストプロダクション:ピラミッドフィルム ピースリー 
エディター:河田彩/吉田宏治 カラリスト:安田真理 サウンド:加藤亜友美 

— 貴社の沿革をお聞かせください
 1910年に藤田一郎、定市の兄弟が建設業を広島市で立ち上げたのが原点です。そこから技術力や経営力を高めながら、総合建設業へと事業展開していきました。
 その後、大きな転機になったのが2013年で、大和ハウスグループに参画しました。2015年には同じグループの大和小田急建設と経営統合し、事業分野を拡大しています。グループシナジーを生かして国内外でさまざまな建築事業、土木事業や街づくりに携わっています。
 技術力を示す一例としては、2017年に西新宿に60階建てのマンションを建築したほか、翌2018年には熊本県でコンクリートダムを撤去し、自然に戻すという大規模な工事を完了させました。いずれも日本初となる事業で、創業からこうした先進的な取り組みにも絶えず挑戦し続けています。

— 8月6日限定で放送したCMの制作経緯について
 入社式で上映するために制作した「This is FUJITA」という動画がベースになっています。社長の奥村(洋治)は、社員やこれから入社する学生に対し、フジタで働くことの意義や誇りを伝えるような動画を作りたいと以前から話していました。その思いをもとに制作されたのが本作です。広島の原爆投下でも崩れず「いのちの塔」と呼ばれた広島赤十字病院も私どもが施工したものであり、そうした当社の実績をはじめ、先輩方が長い歴史をかけて築き上げてきたアイデンティティを伝えながら、原点である戦争・原爆で被災した広島の復興に尽力したことを克明に描いています。この作品をお披露目した2025年度入社式での上映時には、涙を流す役員もいたほどです。

広島という地で築き上げた歴史と未来へつなぐメッセージを伝える

 そのような背景のもとで戦後80年のタイミングを迎え、広島で創業したフジタとして、原爆の日である8月6日にメッセージを発信する案が浮上しました。もともと、同業他社とは異なるCMを発信したいという気持ちがありました。他社が業界の課題である人材確保のために有名タレントを起用したCMを放映する中で、同じようなことをしても意味がない。自分たちだけが伝えるべきメッセージとは何かと考え、広く一般に訴求できるテレビという媒体で、「平和を建設したい。フジタの願いです」という言葉を通して「広島で創業し、先人たちが築き上げた歴史を未来へつないでいく」というフジタの使命を伝えることにしました。

自分たちを信じて揺らぐことなく壁を乗り越える

— CM制作時に苦労された点をお聞かせください
 「This is FUJITA」をベースにしながらもゼロから作り直しました。復興の原点となった広島赤十字病院のセットや瓦礫の山など細かい描写を丁寧に作り込み、リアリティのある映像にしていただきました。
 なお、CMは広島県バージョンと全国バージョンで微妙に異なります。重いテーマを扱っているため、テレビ局側から求められることも多かったのですが、それでも私たちの伝えたいメッセージは決して間違っていないと信じ、揺らぐことなく、この壁を乗り越えることができました。放送するタイミングにもさまざまな議論がありました。素晴らしい作品ができたという自負もあり、できるだけ長期間放送したいという意見もありましたが、8月6日限定とすることで当社のメッセージが最も強く伝わるだろうと考えました。
— CMの反響や今後の展望についてお聞かせください
 視聴者からは多くの好意的な声をいただき、関係者の皆さまからも「やってよかったですね」と好評でした。社内でも、社内サイトへのアクセス数が非常に多く、社員も好意的に受け止めてくれたようで、会社の一体感やモチベーションが高まったと感じています。また、全国の協力会社が集まるフジタ全国連合藤興会でも「よかったよ」との声が寄せられ、逆にCMが放送されない地域の方々からは「自分たちの地域でも流してほしい」という要望も届きました。
 限られたスケジュールの中で我々の思いの具現化にご尽力いただいた制作の皆さまには心から感謝しています。このプロジェクトに関わった私たちも、一生の仕事になったと実感しています。これを新たな出発点として、今後もCMにチャレンジしていければと考えています。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。