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JAC AWARD 2023 グランプリ受賞者のインタビュー 【ディレクター部門 坂本 菜奈氏】


 一般社団法人 日本アド・コンテンツ制作協会(JAC)が主催する『JAC AWARD』は映像文化の発展を目的に、映像クリエイターの発掘・人材の育成・映像技術の向上や若手のモチベーションアップを図り、制作サイドの見地から表彰を行う賞として2007年に設立された。2023年度はコロナ禍で開催が中止されていた最終審査会のリアルイベントを4年ぶりに実施した。
 本記事ではベストプラクティス部門でグランプリに輝いた坂本菜奈氏(株式会社ヴィス)に受賞対象となった仕事の概要や広告制作に携わる上で大切にされている考え方、今後挑戦したいことなどについて語っていただいた。
【 CM INDEX 2024年3月号に掲載された記事をご紹介します。】

全体の進行を考慮しながら細かな点にも気を配る

坂本菜奈氏
株式会社ヴィス
プロダクションマネージャー
学生時代は経営学部に所属。広告について学んでいく中で、CMへの魅力を感じ、2022年に株式会社ヴィス入社。幅広いジャンルの作品に携わりながら、PMとしてのキャリアを重ねている。
花王『KATE』KATE SCHOOL
それぞれに“欲名”がついた100種類以上の単色アイシャドウから生徒が4色を選びメイクに挑戦する姿を映すプロモーション動画。「メイクにも自分らしさにもルールはない」といったコピーを重ねた。

— 『KATE SCHOOL』の取り組みが高く評価されました
 カネボウ化粧品さんの授業形式のイベント『KATE SCHOOL』のプロモーション動画を担当しました。高校生がメイクを通して“自分らしさ”に気付き、新たな自己表現の可能性を広げるきっかけ作りを目的にした企画で、生徒向けの30秒の縦型動画と、イベントについて紹介する学校向けの120秒の横型動画を制作しました。

限られた時間、環境の中で
円滑な進行に向け準備を徹底

 初回のイベントを撮影してプロモーション動画を作ることになったのですが、イベントの運営サイドと参加校が交渉中の段階で演出コンテの提案といった準備をする必要があり、当日の状況や雰囲気も見当がつかないままでの進行でした。イベントの進行を妨げず限られた時間で撮影するべく、細かいスケジュールを記載した香盤を作成し、メインカメラだけでなく生徒同士で撮影してもらえるよう共有のスマホを用意するなど奔走した結果、縦横それぞれの動画の画角に適したさまざまなタイプのライブ感ある素材を撮影できました。クライアントからは「メイク方法の授業としてではなく、メイクを通して新しい自分を発見して成長する生徒の様子を収めてほしい」との要望がありましたので、クラスの雰囲気を壊さない進行を心掛け、生徒にお互いのありのままの姿を撮影してもらえるよう積極的に声掛けなどをしました。作品を見てくださった方からは「高校生のリアルな表情がいいね」という声をいただき、等身大の生徒たちの生き生きとした姿を表現できたと思います。クライアント、参加校、スタッフの全員が手探りの状態で、かつ私自身も初めてメインで参加した仕事で不安もありましたが、プロデューサーや先輩に助けていただきながら準備を徹底したことで、当日はスムーズに進行することができました。
 『JAC AWARD 2023』のイベント当日は、社内のモニターで社員総出で見てくれたようで、イベントが終わった瞬間に「おめでとう」とたくさんのお祝いが届きました(笑)。アフターパーティーでは制作会社の方だけでなく、ポスプロやキャスティングといったさまざまな業種の方からもお声掛けいただけてうれしかったです。
— 今後のお仕事について
 仕事では全体的な進行を考慮しながら、細かな点にもこだわることを心掛けています。本作でもその重要さを実感しており、イベント全体の流れを把握しつつ、スタッフとの連携を徹底し、生徒が心地よく参加できるよう準備をしたことが円滑な進行につながったのだと思います。
 PMの仕事の魅力は“作品に対してスタッフ全員が同じ目標に向かって頑張る”ことに貢献できることだと感じます。関わるスタッフが多く連絡業務などが大変ですが、そのぶん誰が見ても分かるような資料作りを徹底しています。まだ入社2年目ですので、制作に限らず企画やディレクションなどさまざまな仕事に挑戦していきたいです。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。