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Leader’s Interview 酒井 将氏、浅野 健太郎氏(ベリーベスト法律事務所)


弁護士をもっと身近な存在に
質の高いリーガルサービスを広く提供

「お客さまの最高のパートナーでありたい。」を理念に、国内73拠点で展開するベリーベスト法律事務所は個人向け、法人向けを問わず幅広い分野のリーガルサービスを提供している。ベリーベスト法律事務所のこれまでの歩みや、要潤を起用したブランディングCMをオンエアした狙いなどについて代表弁護士の酒井将氏と浅野健太郎氏にお話をうかがった。
(取材:2023年12月5日)
【 CM INDEX 2024年2月号に掲載された記事をご紹介します。】

酒井将氏
代表弁護士

1999年慶応義塾大学法学部法律学科卒業。2000年司法試験合格。2002年最高裁判所司法研修所を修了。2005年弁護士ドットコム株式会社(東証マザーズ6027)共同創業 代表取締役副社長就任。2006年法律事務所オーセンス開設。2010年弁護士ドットコム株式会社退任後、ベリーベスト法律事務所開設。
浅野健太郎氏
代表弁護士

1999年慶応義塾大学法学部法律学科卒業。2000年司法試験合格。2002年最高裁判所司法研修所を修了。2006年法律事務所オーセンスにパートナーとして参画。2009年ニューヨーク大学法科大学院(LL.M.)修了。2010年ベリーベスト法律事務所開設。日本と米国ニューヨーク州の弁護士資格を持つ。

インターネットの力で情報発信をして誰もがアクセスしやすい法律事務所を

— ベリーベスト法律事務所のこれまでの歩み、強みについてお聞かせください
酒井:私が勤務弁護士だった2005年に弁護士をインターネットで探せる『弁護士ドットコム』を共同創業しました。当時は法律事務所に飛び込みで訪問しても相談を受けてもらえず、弁護士への相談には関係者からの紹介が必要で、そうしたツテのない方は弁護士会の法律相談で担当の弁護士を割り振ってもらわなければなりませんでした。そこで弁護士をもっと身近な存在にするため、弁護士ドットコムを立ち上げました。企業であれば顧問税理士などを通して弁護士を紹介してもらえるため、インターネットで弁護士を探すのは個人の方が多く、弁護士ドットコムは弁護士と個人の依頼者をマッチングするサービスとして成功しました。ですが私自身が弁護士であるため、自分たちの弁護士サービスを世の中に届けたいと思い、弁護士ドットコムで培ったマーケティングのノウハウを活用し、誰もが気軽に弁護士にアクセスできる事務所として『ベリーベスト法律事務所』を設立しました。
 債務整理や離婚、交通事故、相続など、よくある案件の類型ごとにウェブページを作って集客することで、たとえば交通事故の相談がたくさん集まり、対応する弁護士は何件も交通事故の案件を扱うため、その案件の専門性が高まります。紹介などが中心で受動的に案件を受けている弁護士は、何でも屋になりがちなんですね。たとえば、今日は交通事故の相談が来て、明日は労働問題の相談が来る、その次の日は会社の倒産の相談が来る。そのたびに知らないことを調べながら進めるのですが、ベリーベストの場合は各弁護士が繰り返しその分野の案件を経験しているため、法律相談の際もその場ですぐに答えられる。こうして依頼が増えていき、弁護士も増え、取り扱い分野も広がっていきました。

専門性の高いリーガルサービスを全国に届けられる“総合法律事務所”

浅野:おかげさまで総合法律事務所に成長できたと思っています。総合を掲げている法律事務所はありますが、個人から法人まで幅広い分野に対応できる事務所は実際は少ないのではないでしょうか。約370人の弁護士が所属しており、離婚、M&A、国際案件など多くの専門チームに経験とノウハウが蓄積するため、総合的に専門的なサービスを提供できる。また全国に73拠点あり、弁護士の数は東京が最も多いのですが、地方の顧問先や個人のお客さまから専門性を有する高度な依頼が寄せられた場合も、東京の専門チームの弁護士と組んで対応できます。医療分野でいえば、かかりつけのクリニックの紹介で大病院で手術をしてもらうということが、ベリーベスト内で完結するということです。
 最近は地方の企業が海外と取引するケースなども増えていますが、ベリーベストには中国やアメリカの弁護士もいるため多言語で国際的な案件も対応可能です。専門性の高いサービスを全国津々浦々にお届けできる法律事務所に近づいていると考えています。

司法制度改革が目指したことをベリーベストが実現していく

酒井:2000年ごろから司法制度改革が始まり、裁判員制度や法科大学院の設立による弁護士の増加、広告の解禁、報酬の自由化などが進められてきました。司法制度改革が目指したものは、法律サービスを必要としている人のうち2割しかサービスを受けられず、8割が泣き寝入りしている「2割司法」や、弁護士が大都市に偏在して地方にいない、あるいはひとりだけという「ゼロワン地域」の解消です。また弁護士の数が少ないため競争が働かず、特にビジネスロイヤーが不足しているといわれています。国際的な取引の契約や交渉の場で海外の企業は弁護士が当たり前のように同席している一方で、日本は弁護士ではない法務部が立ち会っている。日本企業が国際的な競争に負けないよう、専門性の高い弁護士を育てるべきだという経済界からの要請もありました。
 我々は司法制度改革の波に乗り、広告解禁に合わせてインターネット広告を展開して仕事を増やし、法科大学院の卒業生を中心に弁護士を増員、専門家として育成してきました。まさに司法制度改革で実現しようとしてきたことを我々だけでも進めていくという強い思いで取り組んでまいりました。

プル型ではなくプッシュ型の情報発信でB型肝炎給付金の制度を伝える

— B型肝炎給付金をテーマにしたCMを2016年からオンエアされています
酒井:2012年に特別措置法が施行され、集団予防接種などでB型肝炎ウイルスに感染した方に対して給付金が支払われるようになりました。厚生労働省によると、1948年から88年の間に行われた予防接種の際に注射器の連続使用が原因でB型肝炎に感染した方は40万人以上いるのですが、ご自身が対象者であることをご存じない方が多数いらっしゃいます。
 我々が活用することの多いインターネット広告は「弁護士が必要だ」と紛争が顕在化した方に向けた広告です。B型肝炎の給付金の制度があることすら知らず、また医師も制度を知らないケースがあるため、検索につながりにくいのです。認知をしていただくためにはプル型ではなくプッシュ型で伝える必要があり、そこで情報発信力のあるラジオやテレビでCMを開始しました。

請求すれば救済されることを知らない“泣かず寝入り”もなくしたい

浅野:政府も法律は作りますが、政府広報などは目に触れにくいのが現状です。先ほどの「2割司法」の話で泣き寝入りという言葉がありましたが、我々は「泣かず寝入りもなくそう」ということがあります。相談できる弁護士がいない、着手金が払えず裁判を起こせないのは泣き寝入りですが、権利があることを知らないまま何もアクションを起こせないのが泣かず寝入りです。請求さえすれば救済されると発信するのは我々のミッションであり、まさにB型肝炎のCMは泣かず寝入りをなくすための取り組みのひとつになります。

「法律事務所といえばベリーベスト」を目指し
ブランド化を進めるフェーズに

— 要潤さん起用のCMをオンエアされました。制作の経緯や狙いについてお聞かせください
酒井:紛争が顕在化し、弁護士を必要としている方に絞ってインターネット広告で効率的にアプローチをしてきましたが、全国に拠点ができ、弁護士の数も充実してきたので、テレビを活用して認知度を高めるフェーズになったと思ったからです。これまでテレビCMを積極的に展開されてきた他の事務所に比べるとベリーベストは認知度が低く、個人のお客さまは知名度のある事務所を最初の選択肢にするため、ベリーベストが選ばれにくいという課題がありました。やはりウェブ広告に比べてテレビCMの方が反響が大きいんですね。そこで「法律事務所といえばベリーベスト」と想起していただくためにブランド化を進めようと考えました。
 我々は弁護士を身近にしよう、専門的で質の高いサービスを広く届けようと業界をリードしてきた自負があります。この業界は閉鎖的で近寄りがたいイメージがありますので、そこを変えていきたいという我々のポジティブな気持ちを、要潤さんに“Mr.ベリーベスト”として体現していただきました。

幅広い分野の案件を全国で
体制を整えたからこそのブランディングCM

浅野:これまでチャレンジし続け、そのことを既存勢力から叩かれることもありましたが、要さんの「お客さまに寄り添うために」というセリフにある通り、お客さまのために仕事をしながら、事務所を日々改善、進化させてきました。法律事務所のCMはB型肝炎や過払い金など案件をフックにするものが多い中、法律事務所としては珍しいブランディングCMをオンエアするのは、全国に拠点を持ち、どのような案件でも取り扱える総合法律事務所という体制が整ったからです。本作は要さんに素晴らしい演技をしていただき、我々の想像以上のCMに仕上がっています。このCMが多くの方にとって、リーガルサービスを身近に感じられる一助になればと考えています。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。