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第76回広告電通賞 静岡市


静岡市が4冠、自治体として初の総合賞に輝く

1947年に創設された日本で最も歴史のある広告賞、『広告電通賞』の贈賞式が10月31日に行われ、静岡市シティプロモーション『静岡市プラモデル化計画』が「OOH広告」「ブランドエクスペリエンス」など4部門で最高賞に輝き、自治体として史上初となる総合賞を受賞した。このほか岩手日報社『3月11日震災広告(震災拾得物)』、ACジャパン「寛容ラップ」篇が選ばれるなど、地方自治体、地方新聞社、公益社団法人の広告が多数入賞。社会的・公共的な視点からの取り組みが高く評価された。本稿では最高賞の受賞作を紹介するとともに、総合賞に輝いた静岡市の本田武志副市長のインタビューを掲載する。
(取材:2023年10月31日)
【 CM INDEX 2023年12月号に掲載された記事をご紹介します。】

インタビュイー
本田武志氏
静岡市 副市長
昭和63年に旧建設省(現国土交通省)に入省。新潟市技監、東京都中野区副区長などを歴任し、令和2年に静岡市副市長に就任し現在に至る。

地域資源のプラモデルを都市開発に生かす

— 受賞された率直な感想をお聞かせください
 『静岡市プラモデル化計画』は静岡市と民間企業が相互に連携して地方創生を推進する包括連携協定から生まれたもので、クリエイターの皆さまにも多大なお力添えをいただきました。多くの方に支えられての受賞となりますので、まずはご協力くださった関係者の皆さまに深く御礼を申し上げます。また非常に栄誉のある賞をいただくことの責任も感じており、これからもしっかりと取り組んでいかなければと考えています。
— 本プロモーションを始めたきっかけとは
 持続可能な都市開発を推進する上で、地域資源を磨き上げて活用したいという思いがありました。静岡市はプラモデルの製造品出荷額の全国8割以上を占める“プラモデルの街”なのですが、街中にはプラモデルを想起させるものや触れる場がなく、認知は地域の方々に限られていました。そこで世界に誇る静岡市のプラモデル産業をより多くの方々に知っていただき、地域振興に生かしていくため、「もしも街の景色がプラモデルだったら」という遊び心あふれるこのプロジェクトが立ち上がりました。
— 反響はいかがですか
 街中にあるものなどをパーツに分解してランナーと呼ばれる枠にはめ込んだ“プラモニュメント”は現在9基あります。プラモニュメントを皆さんに体感していただき、賛同を得るために、令和2年度に静岡市が4基を先導的に作ったのですが、そのひとつである郵便ポストのプラモニュメントは、実際に手紙が投函できることもあり、大きな注目を集めました。その後、NTT西日本静岡支店様に民間企業初となる公衆電話のプラモニュメントを設置いただき、以降も民間企業による設置が積極的に推進されています。
 メディアでも多数ご紹介いただいているほか、市民の方からインバウンドの方までプラモニュメントをご覧になった方々が撮影した写真をSNSでシェアされるなどムーブメントの広がりも感じています。NHK大河ドラマ『どうする家康』の放映に合わせて駿府城公園の近くに家康公の甲冑のプラモニュメントを設置し、こちらも『どうする家康 静岡 大河ドラマ館』などの誘客にプラスとなっているのではないでしょうか。
— 今後の取り組みについてお聞かせください
 「こんなものをプラモデル化してほしい」といった声が多数寄せられているほか、例えばベンチや自動販売機といった街中で見かける身近なものをプラモニュメントにするという計画があり、令和8年度末までに30基まで増設することを目標としています。より多くの方に静岡市を訪れていただき、プラモニュメントを楽しんでいただければと思っています。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。