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広告主インタビュー Indeed Japan株式会社


いい未来への第一歩を支えるパートナーに

仕事への価値観やライフスタイルが多様化する中、求人検索エンジン『Indeed』が6年ぶりにブランドコミュニケーションを刷新した。「いい未来は探せる。」をコンセプトとした背景や狙いについて、マーケティングを統括する田尻祥一氏にうかがった。
(取材:2023年7月10日)
【 CM INDEX 2023年8月号に掲載された記事をご紹介します。】

インタビュイー
田尻祥一氏
Indeed Japan株式会社
マーケティング本部  シニアディレクター
2004年にアクセンチュア株式会社に入社。2009年よりデル・テクノロジーズ株式会社にて日本法人経営企画室 室長などを歴任。2022年、Indeed Japan株式会社に入社し現職。
代表的なCM
「いい未来は探せる 衛二の告白」篇(2023年6月13日オンエア開始)
息子役の赤楚衛二が父親役の國村隼から事業継承を打診されるも、『Indeed』を活用して転職を決めたと告白し、國村が戸惑いながらも「頑張ってこい」と背中を押すストーリーだ。同様の展開で、娘役の中条あやみが國村の誘いを断り同サービスで見つけた編集の仕事に転職すると告げる作品も放送。いずれも「いい未来は探せる。」をコピーに展開した。

コミュニケーションの一新でサービスの利用意向を高める

— ブランドコンセプトを6年ぶりに刷新した経緯とは
 当社はブランドの認知形成を目的として、「♪仕事 バイト探しは Indeed」というメロディーを使ったテレビCMを2017年より展開してきました。認知は順調に伸びており、ネクストステップとしてはサービスの利用意向を伸ばすことが課題でした。ひとつの仮説として、Indeedは知っていても自分にどう役立つのかが見えづらいのではないかと。また昨今の求職者の皆さまに目を向けますと、終身雇用が当たり前ではなくなりつつある中で、自分のキャリアや将来を見つめ直す機会も増えていますよね。転職の傾向として海外に比べ日本は「現状の職場に不満」という後ろ向きな回答が目立つものの、今後は転職をポジティブに捉える気運が高まっていくと思えるデータもあり、今まさにその変わり目にあるのではないかと感じています。つまり今、一歩を踏み出すことを迷っている人が多くいるのではと。そこで「いい未来は探せる。」という新しいブランドコンセプトのもと、単に仕事・バイト探しができるサービスではなく、求職者の皆さまのより良いキャリア、人生を探すことを支えるパートナーとしてブランドを再定義しました。例えばこれが「いい未来を探そう」でも私たちが伝えたいことが正しく表現できませんし、「いい未来を探すお手伝いをします」でも少し難しかったでしょうね。クリエイティブチームからいろいろなアイデアをいただきながら、このメッセージにたどり着きました。
— 新CMの制作意図やキャスティングの狙いについて
 長年、斎藤工さんと泉里香さんに出演していただいたことはブランドの資産ともなっていましたので、フレームやタグラインだけを変えるという選択肢もありました。ですが新たなポジショニングを明確にするため、より大きな変化が必要だと判断しました。加えて差別化も重要だと考えていましたので、求人サービスのCMではあまり見られないドラマ仕立ての表現を選びました。
 新CMでは國村隼さん、中条あやみさん、赤楚衛二さんという素晴らしい方々に家族を演じていただき、多くの方に仕事探しを自分事化してもらえるようなコミュニケーションを目指しました。今回の企画を提案いただいたとき、父と娘、息子という関係性から生まれるストーリーにとても魅力を感じたんですね。私のこれまでの経験を思い返してみても、転職という人生に関わる大きな決断を自分ひとりで行ってきたわけではありませんし、特に若い方にとっては親御さんに相談してから決めるということは自然なことではないでしょうか。一代で会社を築いた社長とその子どもという設定は、見ている人にはやや取っ付きにくいのではないかという懸念もありましたが、転職を選ぶことのハードルの高さを誇張するためにも、あえて挑戦した部分でもあります。自分の人生を前向きに切り開いていきたいという思いや、子どものより良い人生を応援したいという親の願いは普遍的なものですから、多くの方に共感いただけるのではと考えています。

常に求職者を第一に考え
より豊かな社会の実現へ

— 求人CMの放送回数は過去15年で最多と競争が激化しています。今後の展望をお教えください
 私は昨年11月に入社したのですが、あらためて求人関連のCMの多さには驚かされました。ですがそれ自体はポジティブに捉えていて、なぜかというとIndeedのミッションは「We help people get jobs」。より多くの求職者の方に公平で透明性のある選考過程を経て、皆さまの望む仕事に就いていただくお手伝いをすることです。そしてもうひとつ大切にしているのは「Job seeker first」で、当社のすべてのオフィスの会議室にはひとつだけオレンジ色の椅子があり、そこに求職者が座っていると常に考えながら意思決定をするという企業文化があります。さまざまな企業がサービスを高め合い、良い競争が生まれれば、より多くの方の人生が豊かになる。それこそが我々の理念の実現につながると考えています。
 そのために我々Indeedは世界ナンバーワンの求人検索エンジンとしてより多くの選択肢をご提供していく。これが我々の目指す最善の形です。またCMでも中条さんや赤楚さんがそれまでは考えていなかった運命の仕事を見つける場面を描いたように、指定した検索条件や検索履歴等に基づき、意外な仕事が表示されることで、思いがけず自分の可能性に気付ける点にも特徴があります。今後はそうした強みを、CMをはじめデジタルやSNSでのコミュニケーションを通してお伝えしてまいります。特にSNSでは新CMに合わせたキャンペーンのほか、今後もIndeedが目指しているサービスの形を体感していただけるような仕掛けを準備しています。
 今の世の中は情報過多で、一方通行のコミュニケーションでは印象に残すことが難しいですよね。どうすれば我々が伝えたい情報を能動的に受け取ってもらえるのか。そこに正解はありませんので、トライアンドエラーを繰り返しながら、模索し続けるしかないと考えています。
写真:髙野宏治
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。