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BRAND OF THE YEAR 2022・インタビュー  株式会社Mobility Technologies


株式会社Mobility Technologiesは2020年9月にタクシーアプリ『GO』のサービスを開始。翌年スタートの竹野内豊を起用したシリーズCMは多くの生活者に支持され、1000万ダウンロードを突破するなど業績も好調だ。2022年度の「消費者を動かしたCM展開 特別賞」に選出された同社の広告戦略についてマーケティングを統括する江川絢也氏にお話をうかがった。
(収録:2022年11月28日)
【 CM INDEX 2023年1月号に掲載された記事をご紹介します。】
『BRAND OF THE YEAR 2022』についてはこちら

江川絢也氏
執行役員 GO事業本部 本部長 兼
マーケティング部 部長

タクシー乗車時の“あるある”を描き
GOの便益を共感性の高い表現で訴求

— 竹野内豊さん出演のシリーズを立ち上げた経緯、キャスティングの狙いなどについて
 『GO』がなければタクシーに乗れないわけでもなく、タクシーに乗車する際の利便性を高めるアプリですので、道端で手を挙げたり、駅のタクシー乗り場に並んだり、電話で予約したりすることが習慣化されている方にとってGOのメリットを自分ごととして捉えにくいという課題がありました。そこでGOの便益を分かりやすく伝えるべく、竹野内豊さんご出演のシリーズをスタートしました。
 タクシーは多くの方が利用されるものなので、決済が楽になる、配車がしやすい、待ち時間が短いなど、何をメリットと感じるかは人それぞれです。我々が考えたアイデアやユーザー様へのインタビューをもとに、タクシーに乗りたくなる、GOを使いたくなる“あるある”を数多く描くことによって生活者からの共感の獲得を狙っています。
 世代を問わず使用いただきたいサービスですので、どの世代からも好感度の高い方として竹野内豊さんに出演をお願いしました。クールな風貌でありながら脱力系の“剛田部長”をチャーミングに演じていただき、竹野内さんのキャスティングがシリーズを通した成功の大きな要因だと考えています。
 シリーズの開始当初からキャラクターの追加を想定しておりました。ビジネスシーンにフォーカスしたCMでは竹野内さんと前原滉さんに共演いただき、実際のユーザーは若い女性の割合も高かったことから、石井杏奈さんに竹野内さんの部下として登場いただきました。大きな反響のあった2022年8月オンエア開始の「GOする!日差しの強い日」篇はタクシー乗車時の“あるある”というコンセプトに変わりはありませんが、サービスの機能的な側面、局所的な場面を描いてきたそれまでのCMとは異なり、「暑さ」と「涼しいタクシー車内」の対比という直感的、生理的に伝わりやすい表現だったことが奏功したと考えています。これは我々にとっても発見でしたね。加えて暑い中でも外出をしなければならないという誰にとっても共感しやすいシチュエーションだったことも、幅広く受け入れられた理由ではないでしょうか。
— 「どうする?GOする!」というコピーに込めた思い、またCMの反響についてお聞かせください
 タクシーは毎日乗車されている方もいれば、年に数回しか利用されない方もいらっしゃいます。CMを見たから乗車するということはなく、乗る必要があるタイミングでいかにGOを思い出してもらえるかがポイントとなりますので、そのきっかけとして記憶に残るようなフレーズがあった方がいい。こうした思いから「どうする?GOする!」というコピーが誕生しました。まねしてくれるお子さまもいらっしゃるようで、浸透しつつあることを感じています。
 CMがヒットした8月は、おかげさまで新規ユーザー数が大幅に伸びました。サービス開始2年でダウンロード数は1000万件を突破し、配車回数も伸長しています。ユーザーは特定の層が伸びるというわけではなく、“テレビ離れ”といわれる20代からも数少ない接触の中で反応いただいており、偏りなく底上げされています。
 タクシーを頻繁に利用いただく方に加え、あまり利用されない方からの認知度も圧倒的に高まりました。定量的に図りづらいことではありますが、社員の家族が「お父さん、GOの仕事をしているんでしょ」と理解しやすくなったことによって、インナーのモチベーション向上につながっていることを実感しますし、リクルーティングの面でもプラスに働いていると考えています。

タクシーアプリとしてのサービスの拡充
未来のモビリティー社会への貢献を目指す

— GOの強み、今後の取り組みについて
 現時点のサービスについて申し上げると、提携している車両数が国内最大で競合社の3〜5倍を誇ります。タクシーアプリの基本的な便益は「使えば必ず乗れる」ことですから、その価値については大きな強みがあると考えています。決済のしやすさやタクシーの捕まえやすさなども代表的なベネフィットです。
 タクシーの事前予約のシステム構築は非常に難しく、飲食店やホテルであれば決まった枠に入れるだけですが、タクシーは街中を走り回っており、予約のお客さまだけではなく流しでも駅でも乗せていますので、車両の割り振りが最適化しにくいんですね。これまでタクシー各社が独自で割り振ってきたものをGOと連携して管理し、AIを活用して場所、時間ごとの必要な車両数を予測することによって、事前予約という潜在的なニーズに対応できるようになったことも大きなメリットといえます。
 お得にタクシーを利用できるという面でいえば日本航空さん、全日空さんと連携したマイレージプログラム、広々とした快適な空間で上質な乗車体験ができる『GO PREMIUM』といったサービスの拡充に努めています。
 我々は「TAXI Goes Next.」を掲げ、移動の方法が急速に変わる中、自動運転や相乗りによる供給力の向上などを進めていきたいと考えています。今後は既存のタクシー事業に限らずさまざまな企業と連携しつつ、日本のモビリティー産業のアップデートに貢献してまいります。
CMデータ(商品別) 2021年11月度〜2022年10月度・集計
CM展開月数:12カ月/オンエア作品数:12作品/放送回数:3758回/CM好感度:188.7P‰
関連データ

2022年度のテレビCMについてまとめたレポートをご用意しております。