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Leader's Interview 坂梨亜里咲氏(mederi株式会社)


多くの女性が活躍できる社会を
ポジティブな表現でオンラインピル診療を訴求

オンラインピル診療サービス『メデリピル』など、女性の健康にフォーカスしたフェムテック事業を展開するmederi株式会社はフワちゃんを起用して同社初のテレビCMを今年7月よりオンエアした。LINEから産婦人科医によるオンライン診療を受診できるといったサービスの特長を伝えるCMの狙いや同社のコミュニケーション戦略について、代表取締役の坂梨亜里咲氏にお話をうかがった。
(収録:2022年9月9日)
【 CM INDEX 2022年10月号に掲載された記事をご紹介します。】

インタビュイー
坂梨亜里咲氏
mederi株式会社
代表取締役
ECコンサルティング会社を経て、女性向けウェブメディアのディレクター、COO、代表取締役を務める。不妊治療経験からmederi株式会社を2019年に設立。オンラインピル診療サービス『メデリピル(mederi Pill)』、妊活サポートブランド『メデリベイビー(mederi Baby)』を展開。2021年より前澤友作氏設立の『前澤ファンド』から出資を受けている。
メデリピル
「産婦人科医たち登場」篇(2022年7月7日オンエア開始)
ピンク色のオブジェに囲まれた空間で、フワちゃんが自撮りをしながら『メリーさんの羊』のメロディーに乗せ「♪メデリで相談」などと歌う。続けてフワちゃんが「スマホでできるピル処方」とスマホをタップすると、「♪ピルのモヤモヤ 産婦人科医に」という歌とともに医師たちが現れる内容で、産婦人科医によるオンライン診療をLINEから手軽に受けられることを訴求した。ウェブ動画では、診療代が無料で何度でも受診可能と伝えた。

— mederiの事業内容についてお教えください
 mederiは私自身の不妊治療の経験をきっかけに、ひとりでも多くの女性に希望するタイミングで妊娠、出産、キャリア構築を実現していただきたいという思いのもと立ち上げた企業で、現在は生理トラブルやPMS(月経前症候群)に悩む女性向けのオンラインピル診療サービス『メデリピル』と、妊活サポートブランド『メデリベイビー』を展開しております。
 起業時には妊娠を望む女性に向けた葉酸サプリメントと膣内フローラチェックキットの提供からスタートしました。ですが20、30代の働く女性は妊娠、出産を遠い未来のことだと捉える方が多く、また当時はターゲットへリーチできるほどのマーケティング力も不十分で、事業を軌道に乗せられずにいました。そこで女性特有の不調の起点として、多くの方が悩みを抱える生理のケアができればと思い、私自身も10年ほど服用していた低用量ピルに着目したんですね。そこから低用量ピルの処方を希望される女性とオンライン診療をする産婦人科医をつなぐマッチングプラットフォームであるメデリピルのサービスが誕生しました。LINEで産婦人科医による診療の予約と受診が可能で、多くの方に気軽に利用いただけるよう初月の処方料に加え、診察料は無料としています。
 日本でのピル服用率は数%と20〜40%程度の欧米諸国よりも低く、こうした状況が女性の社会的活躍やダイバーシティー推進の妨げになっていると感じます。私たちはメデリピルを通してピルを利用いただくとともに、ピル服用のメリットや副作用などの正しい知識を発信することで、多くの女性の活躍を支援したいと考えています。

フワちゃんをCMキャラクターに起用し
ハードルの高いピルを親しみやすく描く

— フワちゃんがメデリピルを紹介するCMが好評です
 今年1月にメデリピルを本格リリースし、4月まではウェブマーケティングを中心に広告を展開しました。その後、さらに効率よく認知度を向上させる手段として、まだ世の中に広く浸透していないオンラインピル市場の中でメデリピルを第一想起いただくことを目標に、7月からテレビCMを開始しました。オンエア後はサービスの認知度が5倍以上上昇し、新規ユーザー数も2倍以上となるなど、予想を超える反響をいただきました。
 フワちゃんのキャスティングは彼女の元気で親しみやすいキャラクターが決め手でした。いまだに多くの女性がハードルが高いと感じているピルのイメージをポジティブな印象に変え、親近感を持ってCMをご覧いただければという期待を込めました。また普段からスマホや自撮り棒を使いこなしているフワちゃんと、LINEを使って予約や受診ができるというメデリピルは親和性が高いですよね。
 CMでフワちゃんが歌う童謡『メリーさんの羊』の替え歌はサービス名の認知向上に加え、「♪ピルのモヤモヤ 産婦人科医に」という歌詞で産婦人科医による診療という特長を分かりやすく伝えることを狙っています。そのほか意識したのはピンク色のふわふわしたセットで、mederiらしい世界観を印象づけ、前後のCMとの差別化を図りました。オンエア後は20、30代女性の好意的なコメントや、小さなお子さんがCMソングを歌ってくださっているという投稿をSNSで数多く拝見し、本当にうれしかったです。
 また本サービスはLINEをプラットフォームとしていますので、CMとデジタルマーケティングを掛け合わせることで多方面からの集客を図っています。今回はCMのほかYouTubeやInstagramでの広告展開や都内でのアドトラックも実施しました。ウェブ動画はフワちゃんが初月の診察料が無料であることなど、具体的なサービスの特長を訴求する内容となっています。クリエイティブ面ではサービスの特性上、誤解を招く表現を排除するのはもちろんのこと、視聴者の皆さまにハッピーな気持ちになっていただける広告作りを心掛けています。

生理ケア、妊活、働く女性の支援など
女性の人生を長期的にサポート

— 今後の貴社事業、および広告展開の展望について
 まずはメデリピルという生理に関するケアでお客さまとのタッチポイントを設け、その方が妊娠、出産の段階を迎えた際はメデリベイビーを活用いただき、その後メデリピルを再開するといった女性のライフステージに寄り添うサービスの提供ができればと考えます。今後は更年期の悩みにもアプローチできる体制を整え、女性の人生を長期的にサポートするブランドを目指しております。
 4月からは『mederi for biz』という法人向けサービスを開始しました。メデリピルをご利用のお客さまから毎月の負担額に関する要望を受け、企業の福利厚生としてご活用いただくことで解決できないかという思いから立ち上げました。おかげさまで現在は複数の企業にご利用いただいています。女性社員が働きやすい環境を整えることは女性の長期的なキャリア形成の支援につながりますので、社会的な価値の高い取り組みとして今後も注力してまいります。新規事業としてはオンライン診療の基盤を生かしたサービスの展開や、メデリピルユーザーの声をもとにしたオリジナル商品の開発も視野に入れています。
 広告については今回のCMに手応えを感じましたので、これからもCMを定期的に展開する予定です。サービスの訴求フェーズに合わせた活用法を学びつつ、CMを含めた広告のさらなる最適化を図っていきたいと思います。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。