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Leader's Interview 西村誠司氏(エクスコムグローバル株式会社)


「にしたん」の認知を最重要課題に
“ベタ”なCMで幅広い世代にアピール

にしたんクリニックは錦野旦とお笑いトリオ・3時のヒロインが共演するCMが多くの支持を集め2021年度の「消費者を動かしたCM展開」を受賞。郷ひろみを起用したCMも引き続き好評価を獲得し、昨年12月度のCM好感度ランキングでは新作CMの10位につけた。同院の立ち上げを支援しCMの企画にも携わるエクスコムグローバル株式会社の代表取締役社長・西村誠司氏にコミュニケーション戦略についてうかがった。
(収録:2022年1月20日)
【 CM INDEX 2022年2月号に掲載された記事をご紹介します。】

インタビュイー
西村誠司氏
エクスコムグローバル株式会社
代表取締役社長
1970年愛知県生まれ。名古屋市立大学卒業。93年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。95年インターコミュニケーションズ(現エクスコムグローバル)を設立、社長に就任。2012年海外用WiFiレンタルサービス『イモトのWiFi』ブランドの提供を始める。19年メディカル事業をスタート、『にしたんクリニック』の立ち上げを支援
にしたんクリニック
「フラメンコ」篇(2021年5月24日オンエア開始)
ダンサーに扮したお笑いトリオ・3時のヒロインが「♪たん たん にしたん」といった歌とギターの演奏に合わせて情熱的なフラメンコを披露する。 コーチ役の錦野旦は「グレイト!」などと3人を笑顔で指導し、「♪たん たん にしたんクリニック!」というフレーズとともに全員でポーズを決めて締めくくった。

「タンバリンダンス」篇(2021年11月29日オンエア開始)
ミラーボールやスポットライトが輝くステージで金色のジャケットを着た郷ひろみが「♪た~んたん にしたん」と踊りながら熱唱し、彼の後ろで3時のヒロインがタンバリンを手にキレのあるダンスを繰り広げる。郷が「にしたんクリニックへGO!」と呼びかけるのに合わせて全員がカメラ目線でポーズを決める内容だ。

— にしたんクリニックの事業内容、コミュニケーション活動についてお聞かせください
 当社は海外用WiFiレンタルサービス『イモトのWiFi』をはじめとしたモバイル通信事業を中心に成長してまいりましたが、「畑違いの分野かつ挑戦しがいのある規制産業に参入したい」という考えから美容クリニックであるにしたんクリニックを2019年に立ち上げました。コロナ禍に見舞われた翌年には周囲からPCR検査を実施している病院について尋ねられる機会が増え、ならば自分たちで着手すべきと8月に来院不要のPCR検査サービスを開始しました。7月に事業化を発案し、翌々月の9月には初のCMをオンエアするなど、手探りながらもスピーディーにローンチまで至りました。
 しかしPCR検査のイメージが先行してしまったため、昨年は「にしたん」というクリニック名の認知拡大を目的に、錦野旦さんとお笑いトリオの3時のヒロインさんがフラメンコを披露するCMを放送しました。錦野さんは私が幼い頃から芸能界で活躍され、近年はバラエティー番組にも出演するなど世代を問わず愛されている“スター”ですよね。さらに苗字に「にし」という文字が入っており、名前の「旦」は「たん」とも読めるため、メジャー感を持って「にしたん」という名前をアピールするのに適任ではないかと。また、主に若年層に人気のある3時のヒロインさんにも出演いただくことで、より幅広い世代へのアピールを意識しました。
 続けて展開した新CMは、よりゴージャスな表現にしたいと考え、華やかなパフォーマンスで国民的な知名度を誇る郷ひろみさんを起用し、3時のヒロインさんには“タンバリンダンス”を踊っていただきました。ミラーボールの輝くきらびやかなステージで郷さんが「にしたんクリニックへGO!」とジャケットプレイを披露する姿はインパクト抜群で、SNSでも好意的な反応が多かったですね。先日実施した調査では50代の男女の認知度が70%に達するなど、CMの効果を実感しています。

国民的なタレントと“ベタ”な表現で展開
メッセージはシンプルに、音楽はキャッチーに

— ご自身がCMの企画にも携わられているとうかがいました。広告を制作する上で大切にされていることとは
 ひとつはメジャー感です。当社の広告活動ではブランド名の認知獲得を最重要課題としておりますので、CMには知名度の高い方に出演をお願いしています。特に、にしたんクリニックのCMでは名称にちなんで錦野さんを起用したり、郷さんにおなじみのジャケットプレイを披露していただいたりと、一般的な美容クリニックのCMとは一線を画す“ベタ”な要素を盛り込み、見ていて楽しくなるクリエイティブを目指しています。
 ふたつ目は意外性で、共演のイメージがない方を組み合わせることで話題化を図っています。異業種へ積極的に参入し「あの事業もエクスコムグローバルが手掛けているんだ」という驚きを通してブランディングを展開する我々の経営方針とも共通しているかもしれません。
 そして最後は分かりやすいこと。 「にしたん」の4文字を広く伝えるというシンプルなメッセージ性と、お子さんが歌いたくなるようなキャッチーなメロディーを意識しています。伝えたいことがシンプルであるほど、演出の自由度が増し、制作陣がやりたいことを実現しやすいというメリットもあります。
 また、イモトのWiFiの頃からともにCMを制作しているCDの中尾孝年さんとは遊び心を忘れずにいようと日頃からお話ししています。例えば、「タンバリンダンス」篇では郷さんが数字の「5」をモチーフにした指輪を着けているんですよ(笑)。拡大しないと見えないような、ひと目では分からないディテールに至るまで作り込むことをひとつの美学としています。
— 今後の貴社のコミュニケーション活動についてお教えください
 にしたんクリニックの新CMを6月頃からオンエア予定です。このほか当社運営の不妊治療に関する総合ポータルサイト『FeeMo』では森三中の大島美幸さんをアンバサダーにお迎えし、私との対談動画を公開しました。業界の自主規制などさまざまなハードルはありますが、テレビCMも放送できないかと考えているところです。これからも固定観念にとらわれず、人々の役に立つべく新たな領域に挑戦してまいりますので、引き続きご期待ください。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。