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BRAND OF THE YEAR 2020・インタビュー ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社


ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社は、キウイフルーツのキャラクター“キウイブラザーズ”を軸にしたコミュニケーションを2016年に開始。展開5年目を迎えた2020年度は商品別CM好感度で総合3位、作品別では総合1位に輝いた。好調が続くCM展開の狙いや反響、今後について同社の猪股可奈子氏にお話をうかがった。
(収録:2020年11月9日)
【 CM INDEX 2021年1月号に掲載された記事をご紹介します。】

インタビュイー
猪股可奈子氏 マーケティング部 APACマーケティング本部長
2004年一橋大学商学部を卒業後、日本リーバ(現ユニリーバ・ジャパン)入社。2015年にマーケティング部長としてゼスプリ インターナショナル ジャパンに入社し、2020年4月より現職。

ゼスプリ インターナショナル ジャパン『ゼスプリ キウイフルーツ』
2020年度の代表的なCM
「好きなことを楽しみながら」篇
“キウイブラザーズ”がさまざまな健康法に挑戦するも挫折してしまうシーンに続き、彼らが「♪ヘルシーは好きなことを楽しみながら」などと歌い踊る姿を描く。「好きなことなら長続きできるよ」と呼びかけ、「ヘルシーを、やみつきに。」のコピーで締めくくった。かわいらしいキャラクターや歌をフックに、5月から9月までのオンエアながら年間の作品別CM好感度で総合1位に輝いた。


— 2020年度の商品・サービス別のCM好感度で総合3位、作品別では総合1位に輝きました
 1年を通して多くの方にCMをご愛顧いただき大変うれしく思っています。結果をうかがったときは、未曾有の事態に苦しんだ日々が報われたとチーム全員で大喜びしました。CM好感度調査は、消費者が“好きなCM”を思い出して答えるシンプルな手法で、本国に報告する際にも自分たちの仕事に対する評価が文化の垣根を超えて分かりやすく伝わるんですね。さまざまな消費者調査の中でも視聴者の反応を知る上で注目しています。
 CMに対してはSNS上でも好意的なコメントをいくつも頂戴するなど、私たちの打ち出したメッセージが皆さまに受け入れていただけたことにほっとしました。また、緊急事態宣言が発令されるなど社会全体が閉塞感に包まれていたこともあり、弊社のお客さま相談室に「ストレスのかかる生活の中で心が救われました」といった感謝のお電話を数多くいただきました。私たちの仕事が社会に貢献できたと分かり、印象に残っています。売り上げも昨対103%で順調に推移しており、今年も過去最高の売り上げを達成できそうです。店頭販売が厳しい状況でも好調だったのは、ひとえにパートナーである小売店の方々、そして流通関係者の方々の努力があってのものです。心より御礼申し上げます。
— キウイブラザーズのCMシリーズについて
 “キウイブラザーズ”を軸にしたコミュニケーションは、日本の皆さまにキウイフルーツをより身近に感じてもらうための長期的なブランド資産とすべく2016年に開始しました。毎年新しいことに挑戦しながら、3年目まではキャラクターの登場やブランド名、栄養素などの商品特徴を丁寧に訴求し、4年目には心理的な側面にフォーカスして、気分が上がるほどのおいしさであることを“アゲリシャス”という言葉で表現しました。

“好きなことを楽しみながら”
60秒CMでメッセージを印象づける

 展開5年目となる2020年にはグローバルでロゴとスローガンが刷新され、日本でもブランドのパーパスやフィロソフィーを伝えるためのコミュニケーションに挑戦しました。ただキウイフルーツがおいしさと健康価値を兼ね備えていることを訴求しようとしたものの、各国のインサイトを見るとそれらは両立しないと考える人が多いんです。特に日本では健康に対してストイックなイメージを持つ人が少なくないので、新スローガン「Make your healthy irresistible」を「ヘルシーを、やみつきに。」と分かりやすく言い換え、「好きなことを楽しみながら自分らしいヘルシーを見つけましょう。ゼスプリはおいしいキウイフルーツでお手伝いできますよ」というメッセージを60秒の長尺CMにすることで明確に伝えられるよう意識しました。またCMソングはもう少しアップテンポなトーンを考えていたのですが、歌詞に込められた思いを届けるには柔らかく覚えやすい曲調がいいのではとの意見もあり、コロナ禍という情勢も鑑みて現在のメロディーとなりました。

ニューノーマルで変わる消費者の意識
ゼスプリにできることを考える

― 今後の展開をお聞かせください
 2020年はCMソングを軸にした若者向けのデジタルコンテンツや、フィロソフィーの理解度を上げるための新聞広告なども積極的に行いました。ただ、日本市場でのテレビの影響力は大きく、私たちとしてもコロナ禍を経験したことでテレビにしかできないことがあらためて見えたように思います。それぞれのメディアの特性と消費者インサイトを理解しながら、今後もあらゆるタッチポイントをつなげていくコミュニケーションを設計していこうと考えています。
 おいしいものを食べるにしても、栄養素や私たちが“アゲリシャス”として表現した高揚感など、食べるものに関する情報を多く知っている方がより楽しく食べられると思うんですね。食べる瞬間の満足度を上げるために、どの情報をどうやって蓄積させていくか。さらにニューノーマルが浸透した2021年以降は、消費者の考える健康や生活、食事がこれまでとは確実に変化しているはずです。一人ひとりの消費者に向き合って食べることの意味を考え続けた先に、次の施策のヒントが現れてくる。変化の激しい今の世の中ですが、ゼスプリやキウイフルーツが消費者の皆さまのためにできることは何か。私たちもあらためて自らを見つめ直しながら、次の展開に向けて取り組んでまいりたいと思います。
『ゼスプリ キウイフルーツ』CMデータ(商品別)
CM展開月数:6カ月/オンエア作品数:1作品/放送回数:884回/ CM好感度:576.7P‰
関連データ

2020年度のテレビCMについてまとめたレポートをご用意しております。